【スタッフコラム】筋力より大切?高齢期に必要な「動きやすさ」とは
「筋力をつけましょう」という言葉を耳にすることは多いと思います。
確かに筋力は、体を支えたり動かしたりするうえで大切な要素です。
しかし、高齢期の体づくりにおいては、
筋力だけを意識することが最善とは限りません。
実は、日々の生活を安心して送るためにより重要になるのが、
「動きやすさ」 という視点です。

1.「動きやすさ」とは何でしょうか
ここでいう「動きやすさ」とは、特別な運動能力のことではありません。
- 立ち上がるときに体がスムーズに動く
- 歩くときにふらつきにくい
- 座る・立つといった動作に不安が少ない
このように、日常の動作を無理なく行える状態を指します。
動きやすさは、筋力だけでなく、
関節の動き、柔軟性、体のバランス、姿勢などが組み合わさって成り立っています。
2.日常生活で「動きやすさ」を保つためのヒント
①活動量は「自分に合ったペース」で維持する
その方の体調や生活リズムに合った活動量を、
無理なく続けていくことが、動きやすさを保つポイントになります。
歩く距離や立ち上がる回数など、
今できている動作そのものが、その人にとって大切な運動です。
調子の良い日もあれば、少し疲れやすい日があっても構いません。
大切なのは、「できていることをゼロにしない」
という意識で、日常の動きを継続することです。
②体の使い方を固定しすぎない
年齢を重ねると、同じ姿勢や同じ動きやで過ごす時間が多くなります。
体の動きがワンパターンになると、使われる筋肉や関節に偏りが生じ、体のバランスも崩れやすくなります。
- 体をひねる
- 立ち上がるスピードを変える
- 手を伸ばす方向を変える
こうした動きのバリエーションが、
体の左右差や前後差を整え、安定した動きにつながります。
③柔軟性は「動きの余裕」をつくる
筋肉や関節の柔軟性は、
バランスを崩したときに体を立て直す余裕を生みます。
日常の中で体を大きく動かすことが、柔軟性の維持に役立ちます。
まとめ(①〜③をふまえて)
筋力・柔軟性・活動量・動きのバリエーションは、
それぞれを個別に高めることが目的ではなく、
日常生活の中で無理なく保たれていることで、自然と整っていくものです。
どれか一つだけを意識しても、
他が不足していると体は安定しにくくなります。
自分に合ったペースで体を動かし、
さまざまな方向に体を使い、
動きに“余裕”を持たせることが、
結果としてバランスの良い、動きやすい体につながっていきます。
当施設では、こうした「動きやすさ」を大切に考え、
その方にとって無理のない動き方や、日常生活での工夫を共有し、
安心して日々を過ごしていただけるよう支援しています。